母乳を授乳するということ(乳児編)

母乳栄養は、乳児にとって最も自然な栄養源です。特に分娩後3〜4日の間に分泌される初乳は、糖質・タンパク質・脂質・無機質を多く含み、永久乳の2倍以上のカロリーがあります。細菌やウィルスに対する抗体、殺菌作用を持つマクロファジーや免疫力を含み、アレルギーや感染、消化不良の予防になります。
乳児にとって、母乳はいつでもどこでも体温にあたためられた状態で飲めます。母乳を飲んでいる子は、乳幼児突然死症候群 (SIDS) 等の危険が少なく、乳首を吸うことは歯その他発音器官の発達を促します。また、聴覚・視覚・嗅覚・触覚・運動感覚などあらゆる感覚を刺激するといわれています。母乳で育った子どもの知能指数の平均は、そうでなかった子どもより高かったという研究データもあります。何よりも哺乳を通して、赤ちゃんは母性像を作り上げ信頼関係を深めることのなるのです。

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母乳を授乳するということ(母親編)

母乳で育てることは、お母さんにとってもたくさんの利点があります。授乳の際分泌されるホルモンには気分を落ち着かせる効果があり、育児に前向きな気分を感じさます。出産のできるだけ直後から母乳栄養を行うと、分泌されるオキシトシンが増加するため子宮復古を促進し、出血を抑えます。母乳を生成するのに脂肪が消費されるため、ダイエット効果もあります。頻繁に授乳している間は排卵や月経の再開が遅れ、妊娠しにくく、子どもを授かる間隔が自然になります。母乳栄養を行った母親は、出産後骨の再石灰化が進むことも知られています。閉経前後を問わず、卵巣腫瘍や乳癌のリスクが減少することも知られています。何よりも母乳で育てることは、お母さんの情緒を安定させ、母性愛を育み、育児への自信が生まれるのです。

母乳で育てているお母さんに注意してもらいたいこと

母乳だけで育てる場合、乳児の栄養は完全に母乳に依存することになります。母親が健康的なライフスタイル、特に食生活を維持することが重要です。
授乳中の食事は通常、妊娠中並みに高カロリー高栄養であるべきです(一日当たり1500 - 1800 kcal )。栄養不足の母親からも栄養価の高い母乳は得られますが、十分な栄養を取った母親と比較すると母乳中のビタミンA、D、B6、B12の含量が少なく、お乳の出も悪くなりがちです。また、母乳栄養だけだとビタミンKが不足しがちになりますので、緑黄色野菜や納豆を食べましょう。
母乳栄養を行う母親は喫煙とニコチン摂取に注意しましょう。母親がヘビースモーカー(一日当たり20本を超える)である場合、母乳の生成が減少することや、嘔吐、下痢、頻脈、落ち着きのなさの原因になることが知られています。また、アルコールの飲み過ぎが子どもにとって危険であることも知られています。母親の養育テクニックがなかなか巧くならず、子どもの体重増加が遅くなります。タバコやお酒の摂取は、育児中は控えるように心がけましょう。

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